いつまで経っても公式から続きが出なさそう(現状リブートかスピンオフのみ)なので、安直な二次創作ですが彼らの戦争と物語の終決を書く事にしました。
そのため、かなり私による独自設定・解釈マシマシです。(例えば、スカリトロンは現代の時点で劣化で今際の際だったとか、コグマンがケイド達を連れて来るのに使った飛行機はウインドブレードだったり等)
また、所々挟んだ画像と、描写が異なる場面も多々ありますがお許しください。
なるべく、映画一作目から五作目まで視聴してから読むのを勧めます。小説版も読んでいたら、尚良いかもしれません。
ZB-7(軍用車両のバンブルビー)の掘り下げは、別の記事でやるかも。
(Transformars THE ENDING NIGHTS)
トランスフォーマーそのものの創造主クインテッサの野望を阻み、故郷の復興計画の調査も兼ねて、サイバトロン星に一時帰還する事となったオートボット達。
しかし、ガーディアンナイツやウィトウィック騎士団、残りのダイノボット等々、散らばっていた者達とも合流するも、課題は山積みだった。「先頭は頼んだぞ、ウインドブレード」
「任せて下さい」
オートボットの総司令官オプティマスプライムが見送る先には、ウィトウィック騎士団の一人 ウインドブレード。以前、コグマンと共にケイド達をイギリスまで乗せたのも彼女である。
続いて、ニューリーダー志望の皮肉屋なガンマン クロスヘアーズ、欠員によりレッカーズは解散状態だが、最近ようやく合流できたロードバスター、今は亡きレッドフッドを模した頭と声にしたトップスピン(画像は玩具版なので描写と違いますが)と、亡くなる前に彼から託されたブルドック型のスチールジョー、日本で収監されていたドリフトと同型のケンザン、以前から別行動していたダイノボットの副官スコーン、その先で見つけた戦闘狂のステゴサウルスのダイノボット スナールウィトウィック騎士団の一人でもあるバンブルビーの戦友 ホットロッド、がそれぞれビークル、またはビーストモードで追従する。
向かうのは、予(あらかじ)め発見し、監視していたクインテッサの新たな潜伏先である、ユニクロンの角の一部が突き出る砂漠地帯。(「最後の騎士王」のラストシーンの場所)
合流した仲間の報告によれば、彼女はそこで人間に擬態し、調査に来た人間達を洗脳、または唆(そその)して、ユニクロンの屠り方を教えているそうだ。その方法は聞く限り、やはり前回と同じ「強引に地球の核からエネルギーを奪い取る」というもの。前回と違うのは、剥き出しの角を介して行っている事と、設備がトランスフォーマーやクインテッサの技術込みとはいえ、人間の文明準拠になった事。
現在のユニクロンは、今の地球そのものでもある。勿論、下手に殺めれば星自体が滅びかねない。そこで、先に彼女を基地諸とも滅ぼしてから、ユニクロンの対策をするつもりだったが、こちらの考えに気づいたのか、日に日にエネルギーの吸収作業が早まっている報が入り、急遽二ヶ所からほぼ同時に責め入る案に変更された。後に、この二つの元凶への強襲作戦は「アンゴルモア作戦」と呼ばれ、トランスフォーマーはおろか人間の歴史にも刻まれる事になる。
「埋葬は済ませた」
「そうか…クインテッサに操られたといえ、すまない事をした」
「もういい。それに、スティールベインを手にかけたのはあの悪女とディセプティコン、スカリトロンは…どのみち長くなかった」
アイアコンの騎士、またの名をガーディアンナイツの長(おさ)ドラゴニカスがオプティマスに話しかける。前回クインテッサに操られ、ネメシスプライム(画像はダークオプティマスだけど、ほぼ同じと思ってよい)と化したオプティマスにやられた騎士数名は、その後マトリクスに無理を承知の助力(本来の使い方ではないため)等で、何とか蘇生・治療が施せたが、タリスマンの守護と後継者を探していたスティールベイン、経年劣化と錆で事切れる寸前まで墓所を守っていた一人スカリトロン(本編でも最初は亡骸と思われていた)は、サイバトロン星に丁重に葬られた。「先に旅立ってしまった二人の分までやり遂げよう」
彼等のタリスマンを模した印が刻まれた墓標に、ドラゴニカスをはじめ、他の騎士やオプティマスも改めて誓う。「ジャズ、ラチェット、アイアンハイド、他の皆も見ていてくれ」
最近まで海底に沈められていたジャズの亡骸も、母星であるサイバトロンの墓所に葬られた。無論、彼だけでなく、他の戦死したオートボット達(ジェットファイヤーも含む)の墓標もここにある。スクィークスや人間の少女イザベラと生活していたキャノピーも、この星の墓地で眠っている。最初はオプティマスも、「家族を無理に離して良いのか?」と戸惑ったが、二人の「勿論寂しいけど、出来れば本来あるべき故郷に戻してあげたい」という要望を呑んだからである。
かつて独裁者を手にかけた事もある赤目の時計型オートボット クレムジークは、執事でもあるヘッドマスター コグマンと、現ウィトウィック騎士団の一人シモンズの警護に。シモンズは仮拠点で負傷したルテナン達の治療に当たっていた。以前、マーリンの墓所へケイド達を乗せたアライアンス号ことサンダーブラスト(ギャラクシーフォースのクロミアの海外版から)は沖で待機している。ジャズの亡骸の引き揚げを手伝ったのも彼女である。
ダイノボット唯一の航空戦力である、双頭のプテラノドンのストレイフは上空にて、トリケラトプスのダイノボット スラッグは地中にて待機中。
場所は変わって砂漠の拠点にて。クインテッサが逃走の準備をしていた。
「囮はバリケード達ディセプティコンに任せるとしよう。お前達も急げ」
リードマンやインセクティコンに準備を急かすも_
「!?」
一足先に攻撃が開始された。念のため予想はしていたが、それでも初手から大人数で攻めてきたため、クインテッサは焦りを募らせていた。
「もう少し時間を稼げ、ディセプティコン達。そのために強化させたのだからな…」「四つ目の樽野郎にも気をつけろ!」
クロスヘアーズが、地上の仲間や、上空から取りこぼしがないか確認しているウインドブレードにも呼び掛ける。
地面の中に潜んでいたスラッグも猛攻を仕掛け、敵を片っ端から破壊し、火を吐き燃やす。
「しつこいぞ!」
スラッグの猛攻で炙り出された、パトランプのように光る四つ目のディセプティコン バリケードは、片腕のマシンガンとハンドガンを同時撃ちしながら、思わず叫んだ。この二枚舌の斥候は、今回不利になったら即座に逃げる腹づもりだったが、クロスへアーズとトップスピンがひたすら接近しながら撃ちまくり、ならばと、近接用のトンファーともう片方の腕に備わるスタンガン(テーザーガン?)を使おうとするも、死角からスコーンが跳んで急接近し、トゲだらけの長い尻尾で近くの壁に叩きつけながら、止めに貫いた。更にスチールジョーが万が一の復活を防ぐため、バラバラに噛み砕き、残るはパトカーの残骸だけとなった。
戦闘狂たるスナールは、異形の光輪(ヘイロー)を思わせる翼が目立つロボットモードに変形し、欲求のままに強化プロトフォームをひたすら薙ぎ倒してゆく。戦場から離れた人間に擬態したクインテッサは、砂埃に紛れながら、予備として造らせていた仮拠点に向かっていた。
(騎士達はまだ来ないようだな_!!)
突如、彼女の胴体が貫かれる。逃走を確認したストレイフが、砂の中に紛れながら追跡し、背中のブリッツウイングボウによる矢を放ったのだ。瀕死のクインテッサを、こちらも事前に隠れていたドラゴンストームが飛来し、その口から吹く業火で焼き尽くす。これが創造主の最期だった。
一方、オプティマス側。
ジョシュア(「ロストエイジ」に登場したKSIの責任者)達に交渉・協力してもらい、別の角に穴を開けたり、拡張して急造された長い地下通路を、途中でビークルモードに変形しながら通り、ユニクロンの核となる場所へと向かっていた。最も、通路と言っても整備されたのは地上に近い層までで、以降はほぼ未知の領域である。
突如、最後尾であるバンブルビーの背後に、謎の桃色の敵が迫る。奇襲してきたのは、過去に彼を模倣したレーザービークのような姿だった。「バンブルビー!」
思わずオプティマスが叫ぶ。
「皆は先に向かってくれ!こいつは俺が引き受ける!」
他の仲間を追わせぬため、正体不明の敵を引きつけ、一旦地上まで引き返す。幸運にも敵は、彼の狙い通りに誘われた。
攻撃や流れ弾で地下通路が塞がるのを危惧し、ビーはあまり使われない倉庫に逃げ込み、その中で決着させる事に決める。
追手は倉庫内に入ると変形し、これまたビーに酷似したロボットモードになり、捜索しはじめた。
(今だ!)勢いよく物影から飛び出たビーが、プラズマキャノンを自分の偽物にお見舞いする。相手も負けじと、同じ武器で応戦するも結果は歴然。
ダメージ覚悟でビーがゴリ押し、そのまま桃色の刺客を機能停止にするまで、攻める手を緩めなかった。
ビーの戦闘中、オプティマス側は、結晶で出来た洞窟のような広い空間に出ていた。そこからは先に進むごとに、複数の気配が増えてく。
「またユニクロンの番人達か!」
奥で待ち構えていたのは、巨大な異形のサソリ型のプレダコン スコルポス(プレダコンのスコルポノック)と、同型の赤い個体ダブルパンチの大群。ハウンドの指摘した通りである。
「先生、露払いは我々にお任せを」
「ああ、まだ想定内だ、ボス」
ユニクロンの核の周辺を、免疫や番人のような存在が護っているのは予想されていた。そんな無数の敵の相手は、ドリフト、ハウンド、今すぐにでも暴れたいティラノサウルス型のダイノボットの司令官グリムロックだった。
「…総員、無茶はするな。生存優先だ」指示を聞き終わった瞬間、グリムロックが雄叫びと共に、開戦の合図代わりに、いかつい大口から火炎を大サソリ達に放つ。続いて、ハウンドは持ち前のガトリング砲等の銃火器を撃ち、ドリフトは自慢の刀で片っ端から切り刻み、グリムロックは一際巨大なサソリにはロボットモードに変形し、刺々(とげとげ)しい戦槌ドラゴントゥースメイスを振るい応戦する。部下達が群れを蹴散らし、その隙にジョシュア経由で取り戻したジェットウイングを、ここまで牽引していたキャリアカーのような形態から変形・装備して進む司令官を出迎えのは、親玉と思われる大小二匹のサソリだった。その内、苔むしたような姿の一匹は人型に、もう一匹の小柄で尾の先が刃になっている方は、その原型を留めた歪な剣に変形(トランスフォーム)する。
人型に変形したスコルポス、否、配下に受肉したユニクロンは口を開く。
「創造神気取りの最後のクインテッサ(性悪女)を始末した事は、素直に礼を言おう。故にこれは余からの褒美だ、オプティマスプライム(プライムの末裔)」
「!?」司令官が、面食らったのも無理はない。なぜなら振り返ると、かつてメガトロンだった傀儡の兵士ガルバトロンがいたのだ。
(まさか、クインテッサの次はこいつに…)一瞬だが、前回戦った際の姿を想起する(ガルバトロンはその前の姿だが)オプティマスに、ユニクロンが話を続ける。「驚いたか?こやつは、新たな我が腹心ガルバトロン。お前の相手に相応しいだろう?」
銀色に輝くメガトロンの成れ果ては、攻撃を開始する。オプティマスは心の中でジェットファイヤーに詫びながら、彼の体で作ったジェットウイングを盾代わりに使い防ぐ。
(すまん、ジェットファイヤー)直後に後ろからサンドスピアが張り付く。どうやら、先程剣に変形したのはブラフ・陽動だったらしい。しかし、オプティマスはすぐさま異形のサソリを引き剥がすと、クアッドバレルショットガンで撃ちのめした。サンドスピアやガルバトロンを陽動に、最後のプライムを仕留めようとするユニクロンだったが、死角から近付いたところを赤く光る大剣レジェンダリーソードで斬り伏せられ、動かなくなる。何とか退けたオプティマスは、更に奥にあった発光し浮かぶユニクロンの核の前に立ち、マトリクスを掲げると、少しずつ発光し、やがて周り一体を光が包んだ。その光はガルバトロンも無力化し、強制停止させただけでなく、来た道を介してサイバトロン星に届けられた。
しばらくして、地鳴りのような音が響く。
「崩落は免れないか…」
放たれたマトリクスの力が、地球を支える新たな核となったとはいえ、元々この星と一体だったユニクロンの力を消した反動は少なくなかった。力の集中した箇所から、結晶洞窟は壊れていく。
「洞窟が崩れはじめた。総員、退却!」
「しかし、先生は?」
「先に行ってくれ。後で合流しよう」
急いでオプティマスは、無線で部下に連絡しながら、両足に備わるジェットも使い飛翔しながら、元来た道を引き返した。
「まだだ…まだ余は滅びておらん」
スコルポスへの受肉を優先し、本体から分離して、かろうじて生き延びたユニクロン。今度はガルバトロンを新たな寄生先にしようとするが_「!」「メガトロンだと言っている…」
砲撃が、ユニクロンの頭を完全に消し飛ばす。
悲鳴も呪詛も上げる事なく、周りと共に崩壊するのが、星の悪魔ユニクロンの最期となった。
僅かに復活した破壊大帝の最後の務めは、自らより遥かに邪悪な破壊と侵略の権化を、道連れにする事だった。
その頃、戻る最中のオプティマスは、近くの爆風で飛んできた何かが視界に入る。どうやらカノン砲のようだ。「これは、ガルバトロンのか?」もう主の居ないヘヴィメタルグラインダーを手に取り、そのまま崩壊するユニクロンの巣窟から脱出した。
「!?」
脱出後、マトリクスからプライムの意識が消えていくのを感じ取り、オプティマスは呼び掛ける。
「やはり、消えてしまう定めですか」
マトリクスに眠るプライム達が応える。
「ああ、だがこれで良い」
「しかし、それでは貴方達歴代のプライムは…」
「元々これはメガトロナス、いや、フォールンの手に渡らぬように地球に隠した。その役目ももう終わり、ユニクロンもクインテッサも潰えた」
「今後の世界を見守るのも良いが、我々には人類を、我等の戦争に巻き込んだ責任もある。この力を新たな地球の源にしたのも、今の我等に出来るせめてもの償いだ」
「…では、安らかに眠って下さい、我等トランスフォーマーの祖霊よ」
司令官の言葉にこくりと頷いたのを最後に、プライム達の魂(スパーク)は還った。
既にサイバトロン星もといプライマスには、マトリクスがユニクロンを消滅させた際に生じた光により、少なくとも元の座標に帰れるだけの力が溜まっていた。
そして、地球で一生を添い遂げようとする者達を除き、故郷に帰るのを望む者達が揃った。人間達に収監されていたディセプティコン達は、拘束・休眠状態で地下に保管されている。バリケードやクインテッサの骸も、地球の人間に悪用されないように、分解して持ってきた。
放置されていたジャンクヒープ等KSIの生き残りも、既にもう一つの故郷たるこの星に揃っている。地球生まれのトランスフォーマーだけあって、彼等の心境は複雑ではあるが。
「点呼終えました。ウィトウィック騎士団も全員おります。出来れば、エドモンド郷にも見せてあげたかったです」
元の教授として生活に戻ったヴィヴィアン本人から、現在のウィトウィック騎士団の代表を頼まれたコグマンが制御室に入り、オプティマスに報告した。
「元レッカーズもだ」
続いてロードバスター。他にも「問題無し」の報せが各所から届く。帰還の準備は済んでいた。
「イザベラは悲しまなかったか?」
スクィークスはビーの問いに、否定の意として、別れの場面を投影して見せる。映像には、前回の戦いの後に、ヴィヴィアン達に引き取られたイザベラが映った。
ただ、やはり長年苦楽を共にしたスクィークスとの別れには、少なからず悲しんでいる素振りだった。
「そっか、あの子には人間の家族も出来たのか」
ビーも、手短ながらケイド達に別れを告げていた。
「またな、イェーガー一家。…サムも、もし次来れるなら、また墓参りに行くよ」
「キューバでの暮らしも悪くはなかったぞ、シモンズ」
「そりゃ良かった。じゃあな、まだ肉屋の作業が残ってる」
地球上で既に別れを告げたトップスピンは、おそらくシモンズ達とは最後となるビデオ電話をしていた。
「皆、無事だな?喜ぶところ悪いが、早速スペースブリッジの起動準備に入ってくれ」
「別れは済ませたか?」
「ああ」
ビーに答える総司令官オプティマスプライムは、サイバトロン星(プライマス)を、本来あるべき座標に戻すため、ワープ装置 スペースブリッジを動かすよう告げた。
こうして「擬態する金属生命体」達は、ようやく母星に帰郷できたのだ。
終
原作:トランスフォーマー 実写シリーズ(5作目まで)
おまけ(クランクアップの場面?他)
「撮影お疲れ様でしたー」「したー」最後にサイバトロン星が帰る場面は、全くの他作品ですが、スーパーマリオギャラクシーの「ほうき星の天文台」や、2の「星船マリオ」の起動・運航場面のイメージも混ざってます。どっちも星ごと動かす場面があるので。
今後の予定
・しばらく不定期で、画像や新たに描写を思いついたら追加するつもりです。
・ビーストウォーズネオの感想は、最終話まで配信されたのを視聴したらやります。
・神話生物解説もそのうちやりたい。
・その他アニメの感想はまだ先。
・次の二次創作をやるとしたら「SIREN」(須田郷也の)、「しかのこ」、「ブルアカ」のどれかになるかもしれません。ただ、最後に関しては単に私がエアプ・最終話まで視聴してないだけでなく、今回以上に独自設定・解釈・自己満足要素がマシマシ※になりそうなので、もし長い暇があればやるかも程度に。
※文句はあの設定と脚本で通した原作者やライター、その他責任者達と、あれで「青春の物語」とか本気でほざく連中全般に言ってください、いやほんとマジで
「なぜわざわざそこまでしてあれに拘るの」と至極真っ当な意見が来そうですが、公式・信者含め、悉く私の地雷をこれでもかと踏みまくった上に、完全な素人による個人的な意見になりますが、あの作品はちゃんとした脚本家や作家さんが手掛けたなら、とうか、内容次第で本当に私の「想い出の物語」の一つになれたかもとは感じたから。
最後、素人である私が偉そうな事を述べましたが、ここで締めにします。では