色筆の記録

玩具・物好き

トランスフォーマー Orphan of KSI(KSIの遺子) 第二話

 

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数十分後、二人は拠点に着いた。

 

「ここが拠点?人間達の民家じゃないか。」

「正確には向こうの家屋だ。」

 ロボットモードに変形したトラックスは、同じくロボットモードになったスティールを案内する。

 

その民家は、二階建ての比較的大きな家だった。裏側には車庫があり、中には赤いスポーツカーが停まっている。

車の背後には、冷蔵庫のようなものと様々な器具を入れた籠が置かれていた。

器具の中にはトランスフォーマー専用のものもある。

 

「あなたが連絡にあった遭難者ですか?」

 車庫の裏手にある坂から、五つ目のトランスフォーマー KSI(ケイエスアイ)ボスが現れた。

 

「ああ、そうだが・・・」

「ここに住むトランスフォーマー スカベンジャーズ※の代表のKSIボスさ。」

トラックスが補足説明をする。

※「リベンジ」にスカベンジャーという大型ディセプティコンがいるが、そちらとは無関係

 

「トラックスの言うとおり、私が代表を務めています。あなたの船は裏手の林に隠しておきました。今からでも案内しますよ。」

そう言って、彼女は坂の雑木林を指差す。

 

「ありがとう。見知らぬ者に、ここまでしてくれるとは。」

「礼には及びませんよ。見た感じディセプティコンって訳でもなさそうですから。」

「・・・あなた達は、オートボットとも私の仲間とも違う雰囲気を感じる。ディセプティコンにしては友好的すぎるし・・・」

 

ティールの反応を見たKSIボスは、トラックスに持ち場に戻るよう促した。

「その疑問に答えるには少々長くなる。お世辞にも綺麗な話ではないが、いいか?」

「構わない。」

 

KSIボスは、彼を期待の隠し場所に案内しながら、「自分達の創造主」について語り出す。

 

 

KSI 

当時、「シカゴの惨劇」をきっかけに反トランスフォーマー派の流れに乗る形で設立された企業である。

クインテッサの手先のロックダウン一味と組んだ墓場の風やCIAと、互いに利用し合う関係を持ち、彼等が狩るオートボット達(ローダーといったディセプティコンも含まれるが、オートボットが圧倒的に狩られている模様)やセンチネル、メガトロン達ディセプティコンの亡骸やその装備の残骸を分析・加工し、「人造トランスフォーマー」を兵器として開発した。

だが、それは密かに生きていたメガトロンの復活、香港での人造トランスフォーマーの反乱等、結果的にディセプティコンの新生に与することになる※。

※ロックダウンと元凶の一人で指示していたCIA高官アティンジャーは、後にオプティマスに屠られ、ロックダウンの部下や人造トランスフォーマーも、大半がオートボット

やケイド・イェーガー達人間の協力者によって狩られた。

 

現在、その技術や人員は、対トランスフォーマー部隊 TRFに引き継がれることになる。

 

 

ティールは驚きと憤りを隠せなかった。

確かに、トランスフォーマーを良く思わない人間がいるのは知っていた。

しかし、自分達が忌み嫌う「創造主」の手先に助力を求めてまで、利を貪ろうとするエゴイスト達がいることに、言葉にできない感情が込み上げる。

まして、メガトロンの軍団復活にまで加担するとは。

 

だが、良い情報もあった。

「ケイド・イェーガー」なる、オートボットの協力者の存在である。

この人間にならば、もし自分に何かあったとき「宝」を託せるかもしれない。

ようやく、騎士の資質を持つ可能性のある人間を知れたと、その点に関しては期待を抱いていた。

 

続く

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KSIの説明が見にくかったらすみません。